上図は2016年12月の日本肺癌学会のガイドラインです。

手術不能進行非小細胞肺癌の治療は抗がん剤がメインです。

まず非扁平上皮癌の治療は、遺伝子変異の有無、PD-L1の発現率によって、推奨される治療薬が変わってきます。


非小細胞肺癌のうち、30-40%でEGFR遺伝子変異陽性になります。

EGFR遺伝子変異が陽性の場合、EGFR-TKIという薬剤が第一選択になります。

EGFR-TKIはEGFR遺伝子変異が陽性の群に効果が高い抗がん剤で、現在非小細胞肺癌の一次治療で使用できるのは、イレッサ🄬、タルセバ🄬、ジオトリフ🄬になります。

EGFR遺伝子変異はエクソン19欠失、エクソン21のL858Rのメジャーな変異と、それ以外のマイナーな変異がありますが、マイナーな変異にはEGFR-TKIはあまり効きません


非小細胞肺癌のうち、数%がALK遺伝子転座陽性とされます。

ALK遺伝子転座陽性の場合、EGFR-TKIと同様にALK-TKIといわれる薬が有効です。一次治療で使用できる薬剤はザーコリ🄬、アレセンサ🄬になります。


遺伝性変異が陰性・不明の場合、次にPD-L1の発現状況で治療方針が異なります。

 

患者さんの状態が元気(PS0)か軽作業ができる程度(PS1)の場合。

PD-L1はPD-1阻害薬という免疫療法(正確には免疫チェックポイント阻害薬)が有効かどうかを予測する指標で、がん細胞にPD-1の受容体であるPD-L1がどれくらい発現しているかを%で表示します。

PD-L1が50%以上発現している場合、PD-1阻害薬であるペンブロリズマブ(キイトルーダ🄬)の有用性が報告されています。

PD-L1が49%以下の場合は、従来のプラチナ製剤+第3世代の抗がん剤の併用を行い、血管新生阻害薬であるベバシズマブ(アバスチン🄬)の併用も検討するというのが一般的です。

 

身の回りはできるが作業はできない(PS2)ときは、第3世代の抗がん剤単剤、場合によりプラチナ製剤併用。

日中50%以上ベッドか椅子で過ごす(PS3)、寝たきり(PS4)のときは、化学療法は勧められないということです。