肺炎球菌ワクチン

肺炎球菌はソラマメのような形の丸い菌で、双球菌と言います。

グラム染色では、紫色に染まる双球菌が見えます(グラム陽性球菌)。

周囲に莢膜を持っているので、周囲に透明の部分があります。


日本で肺炎は死因の第3位であり、死亡はほとんどが65歳以上です。

 

肺炎の原因菌のうち、一番多いのが肺炎球菌で約30%を占めます。

 

肺炎球菌は飛沫伝播します。

お孫さんが保菌者となって媒介し、お年寄りが感染することもあります。

 


長崎県の川棚町、波佐見町、東彼杵町で行われた「川棚スタディ」では、

23価肺炎球菌ワクチン(ニューモバックス🄬)とインフルエンザワクチンを併用することで、肺炎の罹患が減少。特に75歳以上、慢性肺疾患患者、歩行困難症例で有用だったようです。


オランダで数万人規模で行われたCAPiTA試験では、結合型ワクチンであるプレベナー🄬により、肺炎球菌性市中肺炎を約半分に減少させたという結果でした。

Polysaccharide Conjugate Vaccine against Pneumococcal Pneumonia in Adults

Marc J.M. Bonten, et al.N Engl J Med 2015; 372:1114-1125


肺炎球菌ワクチンにはニューモバックス🄬とプレベナー🄬の2種類があります。

日本では65歳以上で5の倍数の年齢に1回のみ、公費助成でニューモバックス🄬(PPSV23)を打つことができます(対象の方に役場から通知が来ます)。

それとは別で、任意接種(自己負担)ではありますがプレベナー🄬(PCV13)を接種した方がよいとされます。

接種の時期については上の図のとおりです。

 

肺炎を減らすためにできることは

風邪の予防とワクチン(インフルエンザ、肺炎球菌)です。

65歳以上の方、特に慢性疾患を持っている人はぜひご検討ください。

 

【メーカーのHP】