抗線維化薬


http://ipf.jp/ipf/about/

肺胞では酸素を取り込み、二酸化炭素を放出するガス交換が行われます。

線維化が起こると肺胞の壁である間質が分厚くなり、酸素や二酸化炭素のガス交換が難しくなります。

また、肺が固くなって膨らみにくくなります。


http://ipf.jp/ipf/about/

通常、間質が傷つくと線維芽細胞などの傷を修復する細胞がコラーゲンを適切に傷のところに運び、傷を修復します。

しかし、細胞に繰り返し傷がつくような状態では、過剰に線維芽細胞、コラーゲンが産生されて線維化が進行してしまいます。


http://ipf.jp/ipf/about/

傷の修復には細胞膜の表面にある受容体に増殖因子が結合することで、さまざまなシグナルのスイッチが入って線維芽細胞があつまってきたり、コラーゲン産生などが起こります。

これが過剰な場合、線維化が進行してしまうワケです。


ニンテダニブ(オフェブ🄬)

https://www.boehringerplus.jp/product-pages/ofev/product-description/mechanism/movie01

オフェブ🄬は、血小板由来増殖因子受容体(PDGFR)α、β、線維芽細胞増殖因子受容体(FGFR)1、2、3、血管内皮増殖因子受容体(VEGFR)の各受容体においてアデノシン5’ - 三リン酸(ATP)結合ポケットを占拠する低分子チロシンキナーゼ阻害剤です。

増殖因子が受容体に結合するのをブロックすることで、線維化のシグナルのスイッチが入ることを防ぐわけです。

IPFの病態に深く関与する線維芽細胞の増殖、遊走および形質転換に関わるシグナル伝達を阻害します。


ピルフェニドン(ピレスパ🄬)

https://www.shionogi.co.jp/med/p_pirespa/pirespa01_no_member.html

細胞に傷がつくのは、炎症によって組織障害が起こるためです。

その際の異常な修復から線維化が進行します。

ピレスパ🄬は炎症性サイトカイン(TNF-α,IL-1,IL-6 等)の産生を抑制します。

抗炎症性サイトカイン(IL-10)の産生を亢進します。

 IFN-γ レベルの低下の抑制を示します。

線維化形成に関与する増殖因子(TGF-β1,b-FGF,PDGF)の産生を抑制します。
また,線維芽細胞増殖抑制作用やコラーゲン産生抑制作用も有し,これらの複合的な作用に基づき抗線維化作用を示すと考えられています。

https://www.shionogi.co.jp/med/p_pirespa/pirespa01_no_member.html